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41巻読んで頭パーンてなって突発的に書いたもの。死ネタです。
「もうやめて」と叫んだ声は、頼りない嗚咽と喘ぐような吐息に紛れて空に溶けた。
身体中を苛む気が狂うような痛みよりも(出来損ないのこの身体が痛むのは今に始まったことじゃないし)、こんな大事なときに身体が動かせない自分自身の不甲斐なさよりも(胸を張れることじゃないけど役に立たないのはいつものことだ)、消えてしまいそうな君の霊圧が、何よりも悲しかった。
指の一本すら思うように動かないこの状態では、両目からぼろぼろと零れる涙を拭うこともできない。いつもならそんなわたしを億劫そうに眺める君も、ここにはいない。たったそれだけで、見慣れた自らの部屋がまるで世界の果てのように思えて怖かった。
身体さえ動くなら今すぐにでも君のところへ飛んで行くのに。君はきっと加勢なんて望んでないけど、このまま会えなくなってしまうよりは、後で怒られる方がずっといい。それに、最悪わたしも敵わなかったとしても、一緒に消えてしまえるのなら、わたしはそれでも構わなかった。
ああ、そうだ。ねえ、ウルキオラ。前に君が話していたあれ――『心』は見付かった?
わたしはちゃんと見付けたんだよ。早く君に聞いてほしいの。このまま言えなくなってしまうのは嫌だよ。ねえ、
「……っ、あ、」
その瞬間、わたしの中からウルキオラの感覚が完全に消失した。
うそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだ!
君が全てだったのにそこにいてくれるだけでよかったのに他にはなにも要らなかったのに。わたしの胸のこの孔は、君でなければ埋められないのに。
「ああああああああああああああああああ!」
わたしの中で何かが切れた。途端、嘘みたいに消し飛ぶ痛み。今更もう遅いのに。君という唯一の価値を失った世界でわたしはどうすればいいのかな。どうせなら君を排した世界ごと全て壊し尽くして、最後にはわたしも消えてしまおうか。
(そうしたら、もう一度君に会える?)