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DESTINY:シン
ヒロイン=FAITH。
シン視点で甘め。多分。
ヒロイン=FAITH。
シン視点で甘め。多分。
「シン、」
名前を呼ばれて振り返ると、見知った姿が腕を広げて立っていた。そのひとはFAITH――つまりは上官で、それから、俺のすきなひと。
「おいで」と、痺れを切らしたように彼女は言った。抱きしめさせろということらしい。今は俺と彼女の二人の姿しか見えないものの、いつ誰が通りかかっても不思議じゃないこんな廊下の真ん中なのに。「……命令よ」。とか、またそんな風に返事もせずにぼんやりしていると、少し拗ねたような声が飛ぶ。それにしてもひどい職権乱用だ(……あれ、でも、いつもなら俺が「嫌です」って突っぱねても「仕方ないなあ」とかよくわからないことを言いながら自分から寄ってくる筈、)。「ハイハイ、何でありますかぁ」。そんな彼女の様子に違和感を覚えながらも、俺は彼女の傍に寄って(放っておいたら地団駄を踏みかねない)、その腕の中に収まる。
「……最初から、そうやって素直に言うこと聞きなさい」
俺の肩口に顔を押し付けて、もそもそと彼女は口を動かす。ひとつ音が紡がれるその度に、息がかかって少しだけくすぐったい。抱きしめられていると言うより、最早しがみつかれていると言った方が近いような体勢だった。
そうしてほしがっている気がして、俺も彼女の背中に腕を回す。戦場でMSを駆る彼女はとても大きく見えるのに、実際にこうして抱きしめてみるとその身体はひどく華奢で、少しでも乱暴に扱えば簡単に折れてしまいそうな気さえした。
「あんまり心配させないで。無理しないで。頑張りすぎもダメ。わかった?」
「それも命令でありますか、上官殿」
「そうよ。守れなかったら死刑なんだから」
死刑って。あまりに子供っぽいその物言いに思わず吹き出す。普段は『命令』だなんて言い方すらほとんどしないから、その必死さが何となく微笑ましかった。けれど、顔を上げた彼女は不機嫌そうに俺を睨む(残念ながら全く怖くない)。
「そんな風に言わなくたって、俺はあなたの傍にいますよ」
(つらくても苦しくてもこのひとは何も言わないから、せめていつだって傍に在りたいと 想う)
名前を呼ばれて振り返ると、見知った姿が腕を広げて立っていた。そのひとはFAITH――つまりは上官で、それから、俺のすきなひと。
「おいで」と、痺れを切らしたように彼女は言った。抱きしめさせろということらしい。今は俺と彼女の二人の姿しか見えないものの、いつ誰が通りかかっても不思議じゃないこんな廊下の真ん中なのに。「……命令よ」。とか、またそんな風に返事もせずにぼんやりしていると、少し拗ねたような声が飛ぶ。それにしてもひどい職権乱用だ(……あれ、でも、いつもなら俺が「嫌です」って突っぱねても「仕方ないなあ」とかよくわからないことを言いながら自分から寄ってくる筈、)。「ハイハイ、何でありますかぁ」。そんな彼女の様子に違和感を覚えながらも、俺は彼女の傍に寄って(放っておいたら地団駄を踏みかねない)、その腕の中に収まる。
「……最初から、そうやって素直に言うこと聞きなさい」
俺の肩口に顔を押し付けて、もそもそと彼女は口を動かす。ひとつ音が紡がれるその度に、息がかかって少しだけくすぐったい。抱きしめられていると言うより、最早しがみつかれていると言った方が近いような体勢だった。
そうしてほしがっている気がして、俺も彼女の背中に腕を回す。戦場でMSを駆る彼女はとても大きく見えるのに、実際にこうして抱きしめてみるとその身体はひどく華奢で、少しでも乱暴に扱えば簡単に折れてしまいそうな気さえした。
「あんまり心配させないで。無理しないで。頑張りすぎもダメ。わかった?」
「それも命令でありますか、上官殿」
「そうよ。守れなかったら死刑なんだから」
死刑って。あまりに子供っぽいその物言いに思わず吹き出す。普段は『命令』だなんて言い方すらほとんどしないから、その必死さが何となく微笑ましかった。けれど、顔を上げた彼女は不機嫌そうに俺を睨む(残念ながら全く怖くない)。
「そんな風に言わなくたって、俺はあなたの傍にいますよ」
(つらくても苦しくてもこのひとは何も言わないから、せめていつだって傍に在りたいと 想う)
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