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黒執事:シエル/title by 選択式御題
ヒロイン=人外メイド。死ネタ。
ヒロイン=人外メイド。死ネタ。
その瞳が光を永久に失っても変わらないいとしさ、なんて、
「ねえ、坊ちゃん。きっとこうなるって、私、何度も申しましたでしょう?」
まるでうたうように、わたしは膝の上の坊ちゃんに語りかける。
生気を失った瞳は昏く濁っているけれど、華奢な瞼を落としてそれを覆い隠してしまえば、その姿は正しく眠っているようで、今にも目を覚まして、いつものようにわたしの名を呼んでくださるのではないかとすら、思えた。
「……ふふ。それでも、私は坊ちゃんのそんなところも全て、あいしておりますわ」
慈しみながら、愛おしみながら、冷たい頬に指を這わせる。
死してなおもわたしを魅了するその姿。なんてうつくしい死に様。なんていとしい屍。
魂の一欠片すら、あの外道にくれてやるには惜しいと思った。叶うならこのまま閉じ込めて時を止めてしまいたかった(そんなものはただの嫉妬だけれど)。
「だから、私もすぐに参ります」
(あの世でも来世でもそのまた来世でも、きっと廻り逢いましょう?)
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