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GW:カトル
「君が存在していることが、何よりの僕の存在意義」の続き。もうお相手はサンドロックって言った方がいいかもしれない←
マグアナック隊のみなさんがサンドロックを取り戻した辺りのお話。

 「おかえりなさい、おじさま達!」。カトルさまのサンドロックを取り返しに向かったというおじさま達が帰還したとの報せを聞いて、わたしはすぐさまおじさま達の元へと駆けつけた。幸いにして、アブドルおじさまもアウダおじさまもアフマドおじさまも、ぱっと見たところ怪我なんかはないらしい。わたしは思わず安堵の息を吐く。屈強なるマグアナック隊の兵士だとわかってはいるけれど、私にとっては、やっぱり、小さな頃から可愛がってくれた陽気なおじさま達なのだ。誰一人欠けてほしくなどないし、怪我だってないに越したことはない。
 ――と、安心した所為で涙腺が緩んだのだろうか。じわり、端から滲んでゆく視界。その真ん中で困ったように笑うおじさま達。「泣いてる暇なんかないぞ」「お前にはこれから仕事が山ほどあるんだから」。なんて、そう言ってアブドルおじさまとアウダおじさまが、それぞれわたしの頭を撫でてくれる。そして最後にはアフマドおじさまに背中を押され、わたしは輸送機の貨物室の入り口に立たされる。
 中にはトラックが一台。その荷台に横たわるのは。
 「……サンドロック、」。わたしは半ば呆然と呟いた。ある程度修復されているとは言え、あちこち傷だらけのサンドロックは、正しくぼろぼろだったからだ(わたしとの約束、果たしてくれたのね)(こんな風にぼろぼろになるまでカトルさまのために戦ってくれた)(カトルさまを、守ってくれた)。
 わたしはトラックの荷台によじ登って、袖口で乱暴に涙を拭う。泣いてなんかいられない。立派に役目を果たして帰ってきたサンドロックに見せるべきは、こんな情けない顔じゃない。だって今度は、わたしが役目を果たす番だもの。

「ありがとう。おかえりなさい、サンドロック」


(すぐに元通りにしてあげる)(だから今は少しだけ休んでいてね)(いつかカトルさまが戻っていらしたら、きっと、あなたを見て喜んでくださるわ)(だって、カトルさまはまだあなたを必要としている)(あなただって、カトルさまの大切なものだもの)
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