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SEED:シャニ/title by 選択式御題
ヒロイン=ブーステッドマン。強化インプラントStage4以上。
かみ合ってるようなかみ合ってないような、そんな会話。
「あなたはだあれ?」
「……シャニ」
「そう、シャニ。わたし、昔、なにかで読んだのだけど。人間存在は人間形成。もう少し噛み砕いて言うなら、ニンゲンであることはニンゲンになること、なのですって。つまりこれは、ヒトは生まれながらにしてヒトである訳ではないということになるのかしら。ヒトはヒトになるためにヒトの真似事をして、あたかもヒトであるかのように振る舞っている。誤魔化している。偽っている。それなら、そんな未完成なヒトからヒトならざるものとして、ただのパーツとして扱われているわたし達は、一体どうなるのでしょう。生体である以上ヒトに必要なものは等しくわたし達にだって必要だわ。ヒトならざるわたし達も、ヒトの行動をなぞっているの。それって要するにわたし達もいつかヒトに成れると、そういうことなのかしら。ねえ、シャニあなたはどう思う?」
「知らない。意味わかんないし」
「そう。あなた、しあわせなのね」
「はあ?」
「わたしにはわからないの。もう一生、わかることはないわ。だってわたしはじきに廃棄されるもの。強化インプラントStage――ああ、ごめんなさい。ちょっと思い出せないみたい。なんだかとにかく、もう使い物にならないのですって」
「……お前、名前は」
「…………?」
「だから、お前の名前」
「ありがとう。そんなことを訊かれたのは初めてだわ」
(「××××」)(表情は変えないままで、その女は一筋の涙をこぼした)
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